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評価:
沼田 まほかる
幻冬舎
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(2006-10)
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とても怖い話だった。
なんだか支離滅裂にも感じる主人公目線での物語。
彼女の言い分はわがままで自分勝手に思えたし、
それでも陣治と一緒にいる理由も不明だった。
それでもどんどん引きこまれていって最後まで一気に読んだ。
特にラストの方は人間ってこれほど恐ろしく、また同時に優しいものであるのかと
本当に怖かった。
十和子は陣治とともに暮らしている。
籍はいれていないが、夫婦同然の生活をしている。
最初はかつての恋人黒崎俊一と別れた寂しさを埋め合わせるためだった。
異常に十和子の行動を知りたがる陣治。
彼を罵倒し、拒絶し、それでも陣治はこれ以上ないほど十和子に尽くす。
デパートにクレームをつけたことから水島との関係が始まった。
妻とは冷えきっている、別れるつもりだと繰り返す水島。
水島と会っているときに背後から感じる視線。