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評価:
宮部 みゆき
文藝春秋
¥ 1,700
(2007-08)
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「模倣犯」の前畑滋子がかつての事件のショックを乗り越え
また新たな事件の顛末を追う。
読み始めてかなり最初の方で、
これは別の本のその後を含めた話なのだな、と気づき
それが「模倣犯」なのだなとすぐ気づいたのだけど、
そしてあいまいな私の記憶の中では「模倣犯」読んだはずなのだけど・・・
恐ろしいほどにさっぱりきれいに内容を忘れてしまっている。残念すぎる!
「山荘」と呼ばれる場所で起きていた陰惨な殺人。
その犯人と、その事件の最後に立ち会うことになった前畑滋子。
もともとライターとしてやっていた彼女はその事件で広く名を知られることになったが、
彼女自身その事件について記すことは九年たった今でもできないでいた。
彼女にとって大きすぎた事件のせいで、夫婦仲の崩壊の危機もあり
彼女は書くことからも一時は遠ざかっていた。
そんな彼女のもとに訪れた一人の「お母さん」、萩谷敏子。
なくなった彼女の一人息子、萩原等は不思議な力を持っていた、らしい。
彼は不思議な絵を描いた。
これから起こる事件、まだ表ざたになっていない事件
それらが彼の技量にしては拙すぎる絵として表されていた。
一枚の絵がある事件へとつながる。
焼けた家の下から少女の遺体が見つかり、その家の両親が
娘を殺して埋めたと告白した事件。