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    • 2013.11.17 Sunday
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    ツリーハウス

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      評価:
      角田 光代
      文藝春秋
      ¥ 1,700
      (2010-10-15)

      都心に建つ古びた中華料理店、翡翠飯店。
      三年前に仕事を辞めて以来働いていない良嗣は祖父の死を一人で看取った。
      慌てて集まる一家。
      祖母のヤエ、父親慎之輔、母親文江、同居している叔父の太二郎。
      別居している姉の早苗、ふらりと海外に出ていつ帰ってくるともわからない兄の基樹。

      良嗣は幼い頃から家庭の違和感を感じていた。
      一緒にいても、絆の薄い関係。
      深く干渉せず、気づいたら誰かがいて、誰かがいない。

      帰りたい、とつぶやく祖母が若いころ満州にいたこと、
      戸籍に自分の知らないおじらの名前があることなどを知り、
      良嗣は祖母を連れて中国に旅行にいく事に決めた。
      太二郎も共に行くと言い出し、父や今日子叔母からは祖母の行きたい場所を優先してくれと頼まれる。

      読者だけがすべてを知る彼女の一家の歴史。
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      ひそやかな花園

      0
        評価:
        角田 光代
        毎日新聞社
        ¥ 1,575
        (2010-07-24)

        幼い頃毎年行っていたキャンプ。
        仲良くなった少年、少女。
        いつもは見ない楽しそうな表情の両親、もしくは母。

        幼くて美しい思い出の幕はあるとき突然終わる。
        その真偽を母に尋ねても曖昧にごまかされる。

        母と子。
        最近の角田さんの作品はこれをテーマにしたものが多い。
        でもこれは、とても重い。
        リアルのしっかりした重み。
        生まれることで背負わされた荷物。
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        東京ゲスト・ハウス

        0
          評価:
          角田 光代
          河出書房新社
          ¥ 1,470
          (1999-10)

          わあ、懐かしい雰囲気。

          ちょっと昔の角田光代さんの本は全制覇したと思っていたけれど、
          この本は読んでいなかった。
          角田さんの本に出てくる人間たちは
          いつも彼女の等身大(またはちょっと過去かも)の人間たちで
          ひどくリアリティがある。

          この時代は、「明日って何?今日があればよくない?」という雰囲気を感じる。
          まじめ、とか地に足つけるとは正反対。
          特にこの小説はそう。

          東南アジアを半年めぐって日本に帰ってきたアキオ。
          恋人だったはずのマリコの電話には男が出た。
          行くところがないので、旅先で出会った暮林さんに電話する。
          以前、行くところがなかったら、泊まりにきていいよと言われていたから。

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          くまちゃん

          0
            評価:
            角田 光代
            新潮社
            ¥ 1,575
            (2009-03)

            流れていく恋の数々。

            つながって、幸せな位置に収まったかつて流れていた最初の一人。

            最後の一遍はそれを総括するような内容だった。
            どれだけ手ひどく傷ついても、また人を想う。

            角田さんの書く人間は角田さんにとって等身大の人間たちなのだと感じる。
            妙にリアルで親近感が持てる。
            自分だけが感じる決定的にいやなポイント
            人に伝えても普通は変な顔をされるだけのそういう一つ一つを
            上手に拾い上げる。
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            森に眠る魚

            0
              評価:
              角田 光代
              双葉社
              ---
              (2008-12-10)

              タイトルや表紙のイメージからは遠く離れた内容だと感じた。

              ○○ちゃんのママ。
              子供を生むとそう呼ばれる。
              それが当然の狭い世界。
              我が子が中心、一番大切と言いながら、思いながら、示しながら
              その我が子を育ててる母もやはり一人の人間。
              思いも期待も負の感情もいっぱい持ってる。

              怖いと感じた。
              気の合ったママ友四人。
              開けっぴろげで気のいい繭子
              上品でしっかりした千花
              物静かだけど、思慮深い容子
              きちんとしていて優しい瞳

              一緒にいて居心地のいい仲間のはずだった。
              同じ世代の子供たちを持ち、これからも仲良くやっていけるはずだった。
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              福袋

              0
                評価:
                角田 光代
                河出書房新社
                ¥ 1,365
                (2008-02-15)

                角田光代さん、久しぶりに読めた。
                新作が出ているたびに読んでいる気はするんだけど、
                こういう角田さんの本領が発揮されているような本は久しぶりかも。

                日常の中にありふれている奇妙さ、ちょっとしたずれ、不気味さを
                うまく切り取っている。

                昔よりもきれいな文章になっていると感じる。
                年齢層もフリーターとかやってる20代からぐっと大人になった。
                でも、大人だからこそ生きている年月が長いからこそ大きくなってしまったずれ。
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                三月の招待状

                0
                  評価:
                  角田光代
                  集英社
                  ¥ 1,470
                  (2008-09-04)

                  大学時代の友人関係に縛り付けられた(しがみついているかもしれない)
                  人間関係の物語。

                  腐れ縁にも近い、大学時代から別れてはくっついての繰り返しの末結婚した夫婦の結局の離婚
                  物書きとして食べられるようになり、優しい男と同棲するも、片思いの相手が忘れられない女
                  なんとなくおかしな方向に浮いている、早くに結婚した女の不倫逃亡。
                  不倫をした代償に別れを告げられるが、新しい女にすぐにうんざりし、元妻の居心地のよさに気づいてしまう男。

                  概要だけ書いてしまうと、ぎすぎすしているようだけど、
                  全然そんなことはない。
                  きちんとはまるところにはまって感情的に収まりがつく。
                  きっかけは、小さなこと。自分を動かす勇気。
                  そうしてこなかった負の理由、そこまでする必要がなかった正の理由は昔のつながり。
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                  八日目の蝉

                  0
                    評価:
                    角田 光代
                    中央公論新社
                    ¥ 1,680
                    (2007-03)

                    久々角田さんの本。
                    彼女の本はほぼ全て(エッセイ以外は)読んでいると思う。
                    もう、昔の本はぶっちゃけどれがどれだか・・・!
                    ああ、感想文残しておけばよかった・・・!と切に思うのはこういう瞬間。

                    これは昔の雰囲気とはずいぶん違うストーリーだった。
                    以前は、
                    どこにもいけない、どこにも行く場所がないようなフリーターだったり
                    どうしようもない、何に対してもなんとかなるさといい加減な青年(男も女も)を描いていることが多かった。
                    どこにも行かないけれど、
                    新しい人と出会い、何かしら小さな、でも本人にとっては意味のある出来事が起こったり。

                    誰のものだったか忘れたが、すこし前に批評(レビューに近かったな)を読んだとき、
                    「どこにもいけない世界であった出来事、そこから意識がすこし変わる」
                    から、
                    「どこにもいけない世界であった出来事、そこから抜け出す」に変化しつつある
                    と読んだ。
                    自分の描いた感想と似ていたのでとてもよく覚えている。

                    これは、そこからさらに発展して、
                    抜け出した先、を描いたストーリーだと感じた。
                    続きを読む >>


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