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評価:
永嶋 恵美
幻冬舎
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(2000-08)
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うーん、ジャンルが難しい。
ミステリー?サスペンス?ホラー?
アンソロジーか何かで読んだことがある作家さんのような気はするけれど、
長編を読むのは初めて。
けっこう面白かった。他のも読んでみようと思う。
平凡な主婦、典子。
時代は今より少し前。ネットがやっと世間に浸透し始めた頃。
オンラインのカードゲームを通じて知り合ったオフ会で、
典子と「うげ太」というHNを使う遼介は出会う。
遼介は中学生だが、オフ会で東京に出てきたのをきっかけにそのまま家出すると言う。
日常になんとなく違和感を感じ、家に帰りたくないと思い始めた典子は
彼と共に行動を共にする。
遼介と尚斗は同級生。
学校で出会い、どこか通じるところがあって仲良くなったが、
遼介は次第に学校から足が遠のいた。
それでも尚斗との交友は続いていた。家に来ては同じアカウントを使ってオンラインカードゲームを楽しむ。
全てにイライラしていた。とくに両親に。
典子と遼介は逃亡し続ける。
逃げなければいけない理由もできてしまい、
転々と場所を移す。
世間では、あるニュースが話題になっていた。
「夫婦が惨殺される。その息子は行方不明。」
巧妙に仕組まれた計画。
鬱屈した毎日に通気口をあけようともがく主人公たち。
汚れた過去と共通点。