|
評価:
米澤 穂信
新潮社
¥ 1,470
(2006-08-30)
|
ちょっと落ち込み気味の人とか、
自殺願望がある人は絶対読んじゃいけない本だ!
でもすごく面白い。
米澤穂信さんは作品の出来栄えにばらつきがあるなーと思っていたけど、
やっとなんでだかわかった。
インシテミルとこのボトルネックは両方ともすごく面白かった。
両方とも描かれているのは人間の負の感情。
魔王が人間を絶望とか、恐怖とかそういう方向に転ばせて笑って鑑賞しているような視点で書かれているように思える。
主人公の嵯峨野リョウは死んだ魚のような目をしている。
父と母はお互い不倫していて、会えばケンカばかり。
兄は事故で植物状態になり、病院にいる。
少し好きだったかもしれない女の子がいた。
リョウと同じような雰囲気を持った彼女、ノゾミは東尋坊から落ちて死んだ。
リョウはノゾミの死を悼むために東尋坊を訪れていた。
そこに母親から連絡が入る。
兄が亡くなった。急いで帰って来い。恥を晒すな、と。
その時リョウをめまいが襲った。その拍子に崖から落ちた。
だが、ふと気づいた瞬間、家のすぐ近くにいた。
おかしく思いながらも、自宅へ戻ると、見慣れぬ少し年上の女の子がいた。
ここは、彼女の家だという。
だが、リョウには姉がいない。彼女にも、弟はいない。