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評価:
貴志 祐介
角川書店
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(1997-06)
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うわーん。怖いよう。
読み始めてから終わるまでに加速度ついて恐怖が増える。
しかも、読み終わってからも消えることのない類の恐怖。
貴志さんの初期の作品はこれで2個目だけど、
正直ホラーは苦手な私にとっては最近の作品のほうが楽だし好きだな。
主人公の若槻は生命保険会社の京都支社で「保全」と言う業務についている。
保険金の支払いを主としたアフターサービス。
どうしてもトラブルが多くなってしまう仕事でもある。
若槻には恵という恋人がいる。
社長令嬢の彼女が実家から離れて京都の大学で心理学を専攻し、院にまで進んでいる。
彼女は親子関係に問題があるようだ。
若槻にも家族のことでトラウマとなっている思い出がある。死んだ兄のことだった。
ある日、若槻を指名して苦情を電話で言ってきた客がいた。
菰田と言う名の男性の家を訪れる。
にやにやした菰田重徳に連れられて部屋をあけると、
そこには首をつっている菰田の息子の姿があった。