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評価:
辻村 深月
講談社
¥ 819
(2004-06-08)
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受験を控えた8人の高校生。
大雪の降るある日、いつものように登校した彼らは
学校の中に閉じ込められた。
殴ってもあかない窓、扉、存在しないはずの四階、五階。
止まったままの時計。
その空間がおかしなものであると気づいた彼らは
状況把握と脱出方法を考える。
思い出し、思い出せなかった共通の記憶、
彼らのクラスメートの誰かが自殺をした。
文化祭の最終日のその記憶を皆が持っていた。
だが、8人のうちの誰かが死んでいる可能性もある。
才女、清水がその状況と似たような事件を知っていて話し始めた。
人間は、極限状態に陥ると、その周りの人間を飲み込んでしまうことがある。
これは誰かの頭の中で、無事に出るためには誰かが内から閉じるために残らなければならない。
深月を救うためにと集まり、強い絆を持つ8人。
角田春子に一方的に嫌われ、心を病んで拒食におちいった辻村深月。
深月の幼なじみで優秀、温和な鷹野
冷静な思考を持ち、物事をポジティブに捉え周りを引き上げる菅原
直情型で自由奔放に見えるが、家庭事情が複雑で闇を持つ梨香
男っぽい言葉遣いと容姿をもち冷静沈着な桐野景子
感情とは別に冷静な思考をもつ、でも誰よりも情に深い昭彦
学年一位の特待生、絵画においても才能を発揮するが、融通の利かない清水あやめ
誰のことも受容し、からかわれ慕われる片瀬充
そこにはいない、榊。
榊は彼らのクラスの担任だった。
教師らしくない見た目、話し方、態度から多くの生徒から慕われていた。