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評価:
大森兄弟
河出書房新社
¥ 1,260
(2009-11-07)
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芥川賞の候補になっていたことで初めて名前を知った大森兄弟。
たまたま見つかったので読んでみた。
なんというか、人間の本能的嫌悪感をくすぶられるような小説。
主人公の少年はものすごく冷めていてというか冷徹?冷血?で、
でも感情がないわけではなく、楽しくおもったり強烈にむかついたり。
周りの人間が抱く感情を良く心得ていて、うまく利用する、受け流す。
自分もまるでこう見えるように、なんて意識しながら行動する。
目立たない雰囲気、風貌の彼は隅っこの方で地味な子たちと四人で一緒にお昼を食べていたのだが、
二人が不登校になり、少年とサダだけが残された。
サダは少年にまとわりつく。
自分のことだけしか見ていないサダ。
なかなか思い通りにいかない少年に苛立ち
あの手この手を繰り出す。