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評価:
伊坂 幸太郎
講談社
¥ 1,785
(2008-10-15)
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「勇気は実家に忘れてきました」
面白いことばだなぁ。
勇気なんて、あるかないかに関わらず
目の前で起こってしまったらやるしかないんだけど。
問われるのはことが始まる前。
何かが起こる兆候だけがあって、逃げる選択肢もあるときに使える言葉。
伊坂さんの本はやっぱり最高に面白い。
ストーリーが、とか文章が、とか、展開が意表をついていてとか
いろいろあるんだけど、全部ひっくるめてとにかく面白い。
初期の頃の作品と違うのは、最後に劇的に何かが解決するわけではないところ。
「彼らは現実を、真実を知った」で唐突に終わりが来る。
渡辺はSE(兼プログラマかな)そして妻がいる。
とても美しく、とても頼りがいのあり、とても恐ろしい妻。
ある日を境に彼の生活は今までとは違う波に飲まれていく。
優秀なプログラマである同僚が失踪した。
その仕事を引き継ぐことになった渡辺と同僚の大石倉之助。
簡単な仕事のはずなのに、奇妙。
そして、妻から仕向けられた男が彼を拷問にかけてくる。
浮気の疑いを持たれた。事実浮気していた。前回は濡れ衣で腕を折られた。