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評価:
岡嶋 二人
講談社
¥ 620
(1993-07-06)
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本当に綿密にしっかりと練りこまれたミステリ。
文章もうまく、
人間の感情もしっかりと描かれ、
一度出た人間は結末までしっかり描かれていると感じた。
でも、なんていうんだろう、おもしろいし
すごく上手なんだけど
客観視がすごくて決して中には入り込めない感じ。
ある程度心情を描いて、さっと肝心な部分で逃げてしまう。
でも、ミステリ好きにはたまんないと思う。
結城ちひろという17歳のテレビタレントが、テレビ局で誘拐された。
彼女はこれからある商品のCMタレントとして起用されるはずだった。
慎重すぎるほどのシナリオ。
商品PRの担当ディレクターである長谷川は、
ちひろを降板せず、逆にこの事件を利用しようと
フリーカメラマン土倉に事件の内容を追わせる。
ちひろのマネージャーの玲子が身代金の受け渡し係として奔走する。