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    • 2013.11.17 Sunday
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    ばかもの

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      評価:
      絲山 秋子
      新潮社
      ¥ 1,365
      (2008-09)

      切なくて愛おしい物語。
      平凡、だったはずの男。
      これと言った意欲もなく、なんとなく大学に通い
      中退しようと思いながらも何とか卒業して就職し
      結婚した。

      その前に、大学に入って間もない頃。
      主人公の大須はつきあっていた?ずいぶん年上の女にこっぴどく振られる。
      心底入れ込んでいたのに、大須の前からあっさり姿を消した額子。

      おそらくそこから、すこしずつ何かが狂い出す。
      酒におぼれ、依存症になる。
      会社も、妻も、友人も失う。
      そこから、再生する。
      好みの分かれる作品だと思う。
      でも、私はすごく好きだ。
      さらっと書いてあるちょっとした描写が一つ一つぐさっと胸に刺さる。
      大須の感情にシンクロする。怖いほど。

      たぶん「愛していた」額子。
      そういう女だとわかっていたはずなのに、捨てられて何かを損なった。
      大学で唯一気のあった女友達は変な宗教にはまって中退した。
      久しぶりに会った彼女は言葉が通じない。

      私もこういうことを実際に経験したことがある。
      同じ思い出を持っているはずなのに、
      そのころの彼女とは質が違ってしまっている。
      宗教って、こんなふうに人間の個性を奪うものなのか。
      幸せになるって、みんな同じになるってことか?と疑問に思った。
      そして、すごく気味が悪いと思った。

      「お酒のせいで」というのは簡単。
      でも、大須自身も周りから見たら宗教にはまった子とさして変わりないんだろう。
      お酒を飲まなければ普通。わかっているのに飲み続ける大須に疑問を抱く。
      暴言を吐き、暴力をふるい、次の日になれば全て忘れている。
      依存は、こわい。
      別にお酒でなくても。
      人間が変わってしまうようなことが怖い。自分も。

      不器用で歩み寄るのがへたくそな額子。
      全てを失って初めて病気を治す決意をした大須。
      再会してからの物語は本当に愛おしい。



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