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評価:
森 博嗣
集英社
¥ 1,470
(2007-08)
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きちんとしたミステリとか、重い題材の小説に読み疲れると
森博嗣が読みたくなる。
口直し、みたいな。
中身が薄い。いい意味で。
どこにも行き着かない。
雰囲気を楽しむ本。
ちょっとした探偵のようなことを一応の仕事としている頚城。
彼の元に壮絶な美女が依頼に現れる。
芸能界にも、政界にも通じている有名な人物、法輪清治郎。
彼が持っている「天使の演習」は依頼に来た志木真智子の母親、貴子のものだった。
それを取り戻して欲しい。そういう依頼。
法輪は、世界的に有名な殺し屋、「ゾラ」に狙われているという。
真智子に惹かれていき、恋仲のようになる主人公。
莫大な遺産を受け継いでいるおかげでお金には困っていない。
法輪清治郎の甥、洋樹からのつてを頼って清治郎のもとにたどり着く。
お遊びで生きているような(に見えてしまう)彼ら。
清治郎が昔妻と同等に愛した女性。
さらに大きな圧力によって彼女を引き渡してしまった過去。
志木親子が執着する「天使の演習」は何億円もするもののレプリカだった。
レプリカながら数百万円の価値があるそれには何の意味があるのか。
ゾラは本当に清治郎を襲いに来るのか。
最後まですらっと読めるんだけど、何一つ私の中には残らない。
ゾラの意味は何だったんだろう。
天使の演習の意味は何だったんだろう。
少し気になるんだけど、
そもそも考えていなかったんじゃないかという感じ。