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評価:
あさの あつこ
講談社
¥ 1,680
(2009-02-05)
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深川元町にある料理茶屋、「橘屋」
名の知れた料理がおいしい純粋に料理を楽しむためにある店。
多くの女たちが奉公している。
彼女たちを管理しているのは仲居頭のお多代。
ひたすらに厳しい。
だけども、彼女のおかげで橘屋が成り立っている。
橘屋に奉公にでたおふくの話から始まる。
貧しいゆえに食うのさえ困る時代。
食い扶持がなくなれば滅びるしかない。
奉公場所という安定した場所におふくを置いて家族は出奔してしまう。
厳しくて、厳しくて、でも温かい。
お多代がきっと一番生きていくことの大変さをわかっていて、
それに耐えられるように、最悪の事態を迎えないようにと
彼女たちを守っている。
夫が病気のために働けなくなったり、
身分の違う相手と駆け落ちしてきたり、
酒びたりになり何もしてくれない父親、
両親に売られた女の子
命を賭してまで店を守ろうとするお多代は
才覚のあるおふくをきつく仕込む。
その心をおふくは強く理解して受け入れる。
彼女自身の幸せを捨ててまでもお多代と同じ道を歩もうとする。
どうしてそこまで、って思う。
でもやっぱりわからないだろうな。
こんな平和ボケした時代が当たり前だと思っていたら。
笑いどころはすごく少ない。
感動ポイントも不幸の割には少ないと思う。
どこまでも現実だと思った。