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    弥勒の月

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      評価:
      あさの あつこ
      光文社
      ¥ 1,680
      (2006-02-22)

      森下町の小間物問屋、遠野屋。
      そこの若おかみのおりんが川に身を投げて亡くなった。
      そこから始まった遠野屋の旦那清之介と同木暮信次郎との不思議な関係。

      続きの三作目、「木練柿」を先に読んでしまったけど、そのとき謎だと思ったことがいろいろ判明した。

      一番不思議だったのは、なぜ武家をやめて商人になった清之介が原因で
      周りの人間が危うい目にあう可能性があるのだろうかということだった。
      理由は「ただの武家」ではなかったから。

      溺れて以来水を怖がっていたはずのおりんがなぜ川に飛び込んだのか
      そもそも、なぜ死ななければならなかったのか。
      おりんが橋の上でたたずんでいるところを目撃した稲垣屋の主人は数日後に一太刀で切り殺された。
      稲垣屋が誰かに会うところを見たかもしれない、蕎麦売りの弥助もまた刀傷を負って死んでいた。
      彼らはうらまれてもおらず、秘密を隠しているようなこともなかった。

      発端は、清之介。
      彼にとっておりんの存在は弥勒のようだった。
      かつて闇の中を歩いていた「周防清弥」
      父に命ぜられるままに名前も知らない人の命を奪ってきた。
      清弥のことを心から憂いていた兄は闇から清弥を逃がした。
      そこでおりんと出会い、今の清之介がある。
      だからこそ清之介はおりんの死を不審に思って信次郎に死の真相を調べるように頼んだ。

      清之介も信次郎もまだ荒っぽい感じ。
      特に信次郎は退屈な人生を埋めてくれるあてを見つけてはしゃいで間合いを間違えてしまっている印象を受ける。
      「木練り柿」を先に読んでしまったからなおさらそう思うんだろうけれど。

      おりんが普通の夢を持った女性であったことが彼女の死を招いた。
      それが残念でならない。
      清之介は自分のせいでおりんが死んだというのに、少し冷たいんじゃないかと思った。
      もちろん内心はひどく落ち込んでいるのだろうけれど、
      生きているものの危機に比べたら、おりんの死は「死んでしまったからしょうがない」と受け止めているように見えた。
      死に生きる清之介だからこそかもしれないけれど、なんだか切ない。


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