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    • 2013.11.17 Sunday
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    喋々喃々

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      評価:
      小川 糸
      ポプラ社
      ¥ 1,575
      (2009-02-03)

      とても愛しい感情を抱いた。
      あと、食べること、おいしいものを愛している作者さんなんだなーと強く感じた。

      栞は東京の谷中でアンティーク着物を売るひめまつ屋というお店を営んでいる。
      店舗の二階に一人でつつましく暮らしている若い彼女。

      定期的にお店を訪れるまどかさん、
      騒々しい(と私は感じた)雰囲気の妹の花子たちと
      会話をする彼女は落ち着いていて女性らしい雰囲気を感じる。

      彼女の店に珍しく男性が訪れる。
      父とよく似た声を持つその人は春一郎という名で、
      たくさんの仕事を抱えて忙しく飛び回り、薬指に指輪をはめている人だった。

      彼は時々栞の店を訪れたり、連れ立ってご飯を食べに行くようになる。
      細かいことは一切語られない。
      うっかり読み飛ばしてしまいそうな重要な描写。
      繊細できれいな物語だった。

      ざっくり言ってしまえば「不倫」の一言なんだけど、
      その言葉がひどく似合わない関係だと思った。

      推し量ることしかできないのだけど、
      栞の両親は離婚している。
      母は花子と、「種違いの」妹楽子と三人で暮らしている。
      父は別の女性と再婚し、田舎でほぼ自給自足の生活を送っている。
      かつて彼女自身結婚していたが、雪道君の一度の過ちを許せず別れ、雪道君は別の女性と再婚した。
      「家族」に強く憧れを抱き、自分の場所を探す栞にとって、
      「不倫」は禁忌に近いものだったはず。
      自分が奪われたそれで、他人のものを奪うことはできない人間のはず。

      読んでいるときはそうでもないのだけど、
      後から思い返すと泣きたくなるような、胸が締め付けられるような不思議な小説だった。

      一人で全部許さなくてもいいのに。

      それにしても出てくる食べ物が一つ一つ丁寧で美味しそうな描写なんだよなぁ。
      食欲っていう生理的欲求ではなく、高尚な娯楽のように食事がしたくなる。


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        • 2013.11.17 Sunday
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