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評価:
三浦 しをん
文藝春秋
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(2009-10)
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「まほろ駅前多田便利軒」のその後。番外編。
「まほろ駅前多田便利軒」は呼んだけど、感想文書いてない。
なぜなら、持ってるから。
持ってる本は油断して感想文かかない。おかげでどんどん内容忘れてしまうんだけど
いざとなったら読み返せばいいか!と思ってしまう。
いろいろと理由があり、地元に帰って便利屋を始めた多田啓介。
そこにバイト兼居候として高校の同級生、行天春彦が転がり込んできた。
行動の読みにくいおかしな行天とわいわいやりながら
多田はだんだんと元の元気を取り戻していく。
「まほろ駅前多田便利軒」で関わった人間たちがまた出てくる。
それとは別に、多田に新しい恋の予感も芽生える。
私はここに住んでいます。
モデルにした、とかそんなレベルの話じゃない。
そのまんま。町並みが描かれている。
「まほろ駅前多田便利軒」の方が町の風景などがよりリアルに描かれていて
もうすぐ映画公開されるみたいだから見てみたい。
ここにあの俳優が来たんだ!って違和感を感じたい(笑
すんでいるからよくわかるのかもしれないけど、
いろんなことがとてもリアル。
あのあたりにちょっと悪い事務所あってもおかしくなさそう、とか
平和な親子連れや老夫婦もよくいるよなぁ、とか
新しいファッションビルと古い商店街が同居した奇妙な町だよなぁ、とか
改めていろいろと感じる。
便利屋は普通の家庭の裏を見てしまうことがどうしても多くなる。
遺品の整理、やくざが関わった案件、ナチュラル志向に取り付かれた幼い子のいる家庭。
多田はいろいろと吹っ切れ始めている。
行天や、仕事を通じて出会った優しい人々、
もともとの多田の性格が作用しているのだと思う。
行天は飄々としているけれど、簡単には触れられないような深い闇を持っている。
まだ、それは明らかになっていないけれど、
今後がありそうな終わり方が気になった。
続きがあればぜひ読みたい。