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    • 2013.11.17 Sunday
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    左岸

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      評価:
      江國 香織
      集英社
      ¥ 1,785
      (2008-10-11)

      江國さんの本は最近つまらない雰囲気だけがもやんとした本が多かったけれど、
      これは、傑作。すごく面白かった。

      茉莉は少し変わった、幸せな子供だった。
      聡明な兄惣一郎がいつも茉莉を守ってくれた。
      研究をするために福岡の大学に移ってきた父、新
      緑とガラスを愛する母、喜代。

      母と父はまるで恋人のように仲がよかった。
      茉莉は同級生にはからかわれたりいじめられたりしたが、
      隣に住む幼馴染の九と兄がいつも守ってくれた。

      でもその兄は死んだ。中学生で自分で首を吊って。
      それから、茉莉の周りにはふよふよと惣一郎が現れる。
      茉莉と同じように成長していく彼の言葉。
      薄くなったり濃くなったり気配だけが茉莉の近くにある。

      未成年時代の茉莉はまだ未分化という印象。
      自分の軸がはっきりしていないのに頑固
      ふわふわと人を信じ、
      絆の薄れた家から飛び出していく。

      優しいが不完全な男との生活を自ら切り離す
      きちんとした人を愛し、結婚する
      別の家に入って子供を生み、さきと名付ける。
      でも、また不幸が起き、その場所には居られなくなる。

      画家に見初められフランスに渡る
      バーで働き、福岡に帰ってお店を開く。

      不思議な力を持つ九はいつでも離れていながらどこかつながっている。
      家庭教師をしてくれたミチル。ほかの人間とは少し違う価値観を持っている
      ガーデンに、家の外のものに人にのめりこみ遠くに行ってしまう母。
      一人残され、ただただ待ち続ける父。

      力強いさき。奔放な茉莉。

      波乱万丈な女性の一生。まとめればその一言なんだけど、
      すごく魅力的な一生だと思う。
      どれだけ不幸が襲っても、彼女は彼女。
      すごくまぶしく見えた。

      此岸の淵に居るようだと思った。
      いつでも惣一郎を通じてあちら側を覗き込んでいるような。
      でも年を重ね、物理的に近づいていくほど、彼女は固定されて逆に左岸から離れていっているような。
      不思議な物語だった。


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