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    悼む人

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      評価:
      天童 荒太
      文藝春秋
      ¥ 1,700
      (2008-11-27)

      途方もなく優しくて、悲しくて、切ない物語。

      「悼む人」、坂築静人。
      彼は全国の亡くなった人、場所を周って亡くなった人間を「悼んで」いる。
      亡くなった人間を知っている人がいれば、
      ・誰に愛されていたのか
      ・誰を愛していたのか
      ・どんなことをして人に感謝されたことがあったか
      を尋ねる。

      死と生の境界に立ち、半ば修行僧のように淡々と旅を続ける静人。

      自分では絶対にやらない。
      でも、彼の生き方は尊敬できる。
      だれかこんな人間が居てくれたら、
      大切な人が死んだら、自分が死んだら、ほかの人間と同じように悼み、
      彼が生きていてくれる限り覚えていてほしいと思う。

      事件を追っているうちに偶然静人と出会った記者、薪野。
      エグい、グロイ記事を書くので有名だったし、
      本人もそれを自覚していたが、静人によって彼の考え方は大きく変わっていく。
      断絶された父親との関係、いい思い出のない父が死に際に薪野を呼ぶ

      しばらく帰っていない静人の実家では、
      母巡子が末期の癌を患っていた。
      対人恐怖症の気がある父鷹彦は巡子を深く愛し、気遣っていた。
      静人の妹、美汐は新しい命を腹に宿していた。
      連絡手段を持たないため、何も静人に伝えられないながらも、
      彼らは彼らで必死に生き、息子の生き方を尊重していた。

      奈義倖世は夫を殺した。
      服役を終え、夫朔夜の亡くなった場所で
      朔夜を悼んでいる静人と出会った。
      彼のしていることが気にかかり、
      朔夜との間の真相を伏せて静人の旅に同伴することになった。

      やめてくれ、という人間が居る
      積極的に故人の思い出を語る人間が居る
      犯罪等で亡くなった場合、死に至らしめた相手を憎む気持ちをぶつける人間が居る。
      ただ、静人が聞くのは三つだけ。
      それが彼の行き着いた故人の覚え方だった。


      優しいのに、どこかつきはなした印象を与える静人。
      結局は彼の自己満足であると静人自身も納得した上での悼みの旅。
      こんなに広範囲に、自分の知らない人を悼めるのか、その意味はあるのか
      今でもわからない。
      でも彼の行動は尊く、純粋だと感じる。

      でもせめて、本当に大切な人、
      彼自身が関わり、彼が愛し彼が愛された人を優先してほしかった。


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