|
評価:
三崎 亜記
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,680
(2010-02-27)
|
おもしろかった!!
この世界とは少し違う世界。
「掃除」がスポーツであり、他のスポーツとは違いこの国内では活動制限をうけている。
高校の三年間しか競技を行えず、
その後は他国にいくか、PURE・TRADで「添え舞い」として続けるしか道はない
塵芥を舞い上げ、長物と呼ばれる道具で操作し、
それを袋に袋に納める。
三崎ワールド!って感じなのだけど
今までのものより、青春色というか、
感情の動きだったり成長?が強く感じられる作品だった。
未知のものを書き、読み手に納得、共感させるという意味では
今までの常識前提のちょっと違う世界でも
不思議と困惑しない。
掃除というスポーツが実際にあるのなら
すごく綺麗だろうな、見てみたいな、と思った。
藤代樹は高校で掃除部に所属し、どっぷり掃除生活にはまっている。
が、家族にはそれを知らせていない。
祖父が樹に掃除とは教えず、明らかに掃除をしていて
ある日ふっと消えてしまったこと
父が、祖父が掃除をやっていたことに過剰に神経質になっていたこと
国技、が失われた国
同じ掃除でも、他国では武闘傾向がつよかったり、
芸術性を求めたりと様々。
毎日練習に励み、後輩も入ってきて、ペア戦でも技を磨き。
助っ人で試合に出場するのに恐ろしいほどうまい親友、大介
掃除を利用しようとする勢力、その背景にある歴史
居留地出身で、樹とはまるで違う掃除をする高倉偲。
戦争が終わり、長い時間が経ち、
平和なはずなのになぜか大きな変化が訪れようとしている不穏さ。
その中で必死に行き、自分たちの道を探し求める若者、
かつて、現在も掃除に関わりこれからの未来をバックアップする大人たち。
おもしろかった!またこういうたぐいのものか、
シリーズ物をぜひ読んでみたい