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評価:
森 博嗣
文藝春秋
¥ 1,450
(2008-05)
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わりとすきなタイプの本。
すいすいと読めてかるい後味。
雰囲気や構成は、以前読んだ「
すこし変わった子あります」に似ているかも。
こちらの本には闇的要素がほとんどないのがちがいかな。
気力というものが他の人間と比べて元来少ないと自覚している高橋。
銀河不動産という不動産屋に就職することになる。
ほかの社員は、社長の銀亀、女性事務員の佐賀。のみ。
どことなく不思議な感じの不動産屋に客は少ないながらも来る。
個人的に、最後の最後は、ええ?と言う感じだった。
なんだよこれ、ただのサクセスストーリーかよ?みたいな。
もともと大きな設定だった(と思えた)気力の少なさが
なにかしらの事件で解決ないし改善されるのかとおもいきやそうでもない。
人と付き合うのがあまり得意ではないなんていいつつ
たくさんの人間たちと同居を始める。
優柔不断で決めるのにも気力が必要だ、なんて
その後の人と暮らす生活を考えたら何かしら戸惑うだろうに。
まぁ、それも含め、いろんな設定を「これはこういうもんなんだ」と認めてしまえば
楽しく読める本だったと思う。
主人公が格安で住み始める個性的なでかい家に
なんとなく人が集まっていく様はなかなか楽しい。