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    • 2013.11.17 Sunday
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    すべて真夜中の恋人たち

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      あたたかくて柔らかくて切なく少し悲しい物語。

      きっと、このままじんわりとこの人は生きていくんだろうなという確信に似た予測。
      彼女のことを真に理解する人は現れないんだろうな。
      それでも彼女を包む空気は優しい。

      すごく失礼かもしれないけれど、少し前の川上弘美さんの作品の雰囲気に似ていると思った。

      人とうまく付き合うことができないまま大人になり、
      居づらい雰囲気の中で仕事をしていた入江冬子。
      大手出版社に勤める石川聖と一緒に校閲の仕事をするようになり、
      彼女の勧めもあってフリーランスで仕事をするようになった。

      よく喋り、強い考えを持ち、それをまっすぐにぶつける聖。
      聖の知らない所で彼女は三束という男性と出会う。
      高校で物理を教えている彼と定期的に喫茶店で話をするようになった入江。
      何かが少しずつ変わっていく。

      自分に正直であるのに、その優しさから他人の刺々したものまでも受け入れてしまう。
      三束さんは入江と同じテンポで歩いている人間だと感じられた。
      お酒が手放せなくなった入江。
      自分からは何も発信しない彼女に全力で自己をぶつけてくる聖。
      入江を慕う人間は、入江を舐めている人間なのかもしれない。
      彼女も同じ人間であると気付いた時に自分の放った言葉や態度を猛省する。

      今の彼女を作り上げた悲しい過去。
      勇気を出して自分で進めた足。
      それが思いがけず宙に浮いてしまった切なさ。

      別の人間なら、こういう物語にはならなかったのだと思う。

      すごくよかった。


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