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    • 2013.11.17 Sunday
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    • by スポンサードリンク

    犬はいつも足元にいて

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      評価:
      大森兄弟
      河出書房新社
      ¥ 1,260
      (2009-11-07)

      芥川賞の候補になっていたことで初めて名前を知った大森兄弟。
      たまたま見つかったので読んでみた。

      なんというか、人間の本能的嫌悪感をくすぶられるような小説。
      主人公の少年はものすごく冷めていてというか冷徹?冷血?で、
      でも感情がないわけではなく、楽しくおもったり強烈にむかついたり。
      周りの人間が抱く感情を良く心得ていて、うまく利用する、受け流す。
      自分もまるでこう見えるように、なんて意識しながら行動する。


      目立たない雰囲気、風貌の彼は隅っこの方で地味な子たちと四人で一緒にお昼を食べていたのだが、
      二人が不登校になり、少年とサダだけが残された。
      サダは少年にまとわりつく。
      自分のことだけしか見ていないサダ。
      なかなか思い通りにいかない少年に苛立ち
      あの手この手を繰り出す。
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      千里眼 背徳のシンデレラ 上・下

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        岬美由紀の恩師であり、宿敵
        すでに亡くなっている友里佐知子の過去へともぐる。

        耐震偽装隠蔽の犯人が精神錯乱状態になった上に保身を図り
        ツインタワーへの飛行機を衝突させる計画を起こす。
        美由紀はその機内に乗り込み、かつてと同じおぞましい気配を感じる。
        友里の意思がまだ生きている。

        鬼芭阿諛子。かつて友里のもとで献身的に働き、唯一前頭葉手術を受けていない恒星天球会の元幹部。
        警察も、美由紀も鬼芭阿諛子が今回の事件に絡み、
        今後も危険な行動を起こしかねない人物だと結論付けた。

        鬼芭阿諛子が潜むのはやらせで有名になった白神神社。
        阿諛子はそこを基点に恐ろしい復讐を遂げようとしていた。

        美由紀は白神神社であるデータを手に入れる。
        その中にあったのは学生の頃から死ぬまで一日も欠かさずつづられた友里佐知子の日記だった。
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        純情エレジー

        0
          評価:
          豊島 ミホ
          新潮社
          ¥ 1,365
          (2009-03)

          切なくて、エロチック。
          リアルだけど、きれい。

          短編集。

          豊島ミホさんの本、すごく久々。
          以前読んだ作品よりも、大人の雰囲気がする。

          一番好きなのは最初の「十七歳スイッチ」かな。
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          ヤッさん

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            評価:
            原 宏一
            双葉社
            ¥ 1,575
            (2009-10)

            人間のコミュニケーション、生き方を描いた温かい物語。

            ヤッさんがかっこいい。
            日本のど真ん中、銀座にホームレスとして暮らすヤッさん。
            彼は独特の矜持を持ち、都会の恩恵に感謝しながら暮らしている。
            ホームレスといえども身は小ぎれいに。
            仕事を失ってホームレス生活をしていたタカオはヤッさんに拾われる。
            彼の魅力にひきつけられたタカオは弟子としてヤッさんとともに行動するようになる。

            ヤッさんが出入りするのは東京にあるありとあらゆる料理人のもと、
            そして、築地の河岸。
            生の情報を手に入れ、双方をつなぐいわばコーディネーターのようなことをしている。
            対価として得られるのが賄い、試作品などのご飯。
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            ウルトラ・ダラー

            0
              評価:
              手嶋 龍一
              新潮社
              ---
              (2006-02-28)

              うーん、正直言ってあまり面白くなかった。

              BBCの東京特派員、スティーブン。
              彼は諜報部員としての裏の顔を持つ。
              世界各国の情勢を探り、各界の大物とインテリジェンスをやりとりする。

              北朝鮮発と見られる新偽100ドル札、「ウルトラ・ダラー」が現れた。
              スティーブンは大学時代の級友でアメリカ財務省のシークレット・サービスに属するマイケル・コリンズ、
              日本内閣副官房長官の高遠希恵らと連携を組み、
              その全貌に迫っていく。
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              冷たい校舎の時は止まる 上・中・下

              0
                受験を控えた8人の高校生。
                大雪の降るある日、いつものように登校した彼らは
                学校の中に閉じ込められた。
                殴ってもあかない窓、扉、存在しないはずの四階、五階。
                止まったままの時計。

                その空間がおかしなものであると気づいた彼らは
                状況把握と脱出方法を考える。
                思い出し、思い出せなかった共通の記憶、
                彼らのクラスメートの誰かが自殺をした。
                文化祭の最終日のその記憶を皆が持っていた。
                だが、8人のうちの誰かが死んでいる可能性もある。

                才女、清水がその状況と似たような事件を知っていて話し始めた。
                人間は、極限状態に陥ると、その周りの人間を飲み込んでしまうことがある。
                これは誰かの頭の中で、無事に出るためには誰かが内から閉じるために残らなければならない。

                深月を救うためにと集まり、強い絆を持つ8人。
                角田春子に一方的に嫌われ、心を病んで拒食におちいった辻村深月。
                深月の幼なじみで優秀、温和な鷹野
                冷静な思考を持ち、物事をポジティブに捉え周りを引き上げる菅原
                直情型で自由奔放に見えるが、家庭事情が複雑で闇を持つ梨香
                男っぽい言葉遣いと容姿をもち冷静沈着な桐野景子
                感情とは別に冷静な思考をもつ、でも誰よりも情に深い昭彦
                学年一位の特待生、絵画においても才能を発揮するが、融通の利かない清水あやめ
                誰のことも受容し、からかわれ慕われる片瀬充

                そこにはいない、榊。
                榊は彼らのクラスの担任だった。
                教師らしくない見た目、話し方、態度から多くの生徒から慕われていた。

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                リライブ

                0
                  評価:
                  小路 幸也
                  新潮社
                  ¥ 1,575
                  (2009-12-22)

                  わりと好き。
                  愛情にあふれているんだけど、どこか皮肉めいて毒々しい。

                  短編集。

                  死に際の人間の意識の中に現れる「獏」
                  その人間が選ばなかった人生の転機まで彼らを戻してくれる。
                  その代わりに、すでに選んだ人生は獏のものとなる。
                  以前の人生の記憶はないまま人生をやりなおす主人公たち。
                  再度天寿を全うしたときにすべてを思い出す。

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                  千里眼とニュアージュ

                  0
                    千里眼シリーズ少し退屈してきていたんだけど、これは面白かった!

                    現実と照らし合わせるとありえそうで絶対ないわなって内容。
                    今まではいかにリアルであるかを追求していたように思えたけれど、
                    今回は物語を「作る」ことに重点を置いて書かれた本だと感じた。

                    48番目の県として民間企業に作られた「萩原県」
                    IT企業としてめざましい成長を遂げているジンバテックという会社が国と交渉の末に国有地を得た。
                    そこに棲む人間は、全国から応募を募った二十歳以上の失業者、もしくは低所得者。
                    無料の住居、公共サービス、与えられる生活費。
                    主にはひきこもり、ニートと呼ばれる人間たちが結果そこに集うことになった。
                    彼らは毎日の生活に不満を抱かず、リラックスしていた。
                    それなのに、何人もの人間が深夜に火であぶられる夢をみたり、金縛りにあうということを体験する。

                    臨床心理士の資格を失い、慢性的な死への欲求を抱えた一ノ瀬恵梨香も萩原県に住んでいた。
                    蒼い瞳とニュアージュに登場)

                    美由紀は再びメフィスト・コンサルティングのダビデと会う事になる。
                    ダビデがつかんでいたのは、ジンバテックが巨大な資金を得ようとしていること。

                    一ノ瀬恵梨香と岬美由紀は両親の喪失という接点を持っていた。
                    同じ事故で加害者と被害者に別れた彼らの両親。
                    恵梨香は美由紀を憎みながらも、強く執着していた。
                    続きを読む >>

                    がらくた

                    0
                      評価:
                      江國 香織
                      新潮社
                      ¥ 1,575
                      (2007-05)

                      すべての事象は二人だけの世界を完結するためにあるスパイス。
                      すでに完結しているのを知りながらその世界をスパイスとして取り込もうとする少女。

                      夫を愛し、夫に溺れる柊子。
                      新しい発想を持つ意固地な母。
                      裕福な母のお金で旅に出る。

                      そして美海と出会う。
                      大人と子供の中間に位置する美しい少女。
                      彼女の父と一度だけ寝る。

                      夫の後ろにはいつでも女性がいる。
                      それに嫉妬する余地はない。

                      続きを読む >>

                      鬼の跫音

                      0
                        評価:
                        道尾 秀介
                        角川グループパブリッシング
                        ¥ 1,470
                        (2009-01-31)

                        ホラーは苦手です。
                        でも、これくらいなら平気。
                        科学で証明できないものも少し含まれている、のかな?
                        それよりは人間の闇や得体の知れなさを怖さの焦点に置いている。

                        短編集。

                        どれも「小説」として面白かった。
                        共通するのは二転三転する認識。
                        真相はわからないまま。
                        続きを読む >>


                        PR
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