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評価:
松岡 圭祐
小学館
¥ 630
(2005-11-05)
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千里眼シリーズ少し退屈してきていたんだけど、これは面白かった!
現実と照らし合わせるとありえそうで絶対ないわなって内容。
今まではいかにリアルであるかを追求していたように思えたけれど、
今回は物語を「作る」ことに重点を置いて書かれた本だと感じた。
48番目の県として民間企業に作られた「萩原県」
IT企業としてめざましい成長を遂げているジンバテックという会社が国と交渉の末に国有地を得た。
そこに棲む人間は、全国から応募を募った二十歳以上の失業者、もしくは低所得者。
無料の住居、公共サービス、与えられる生活費。
主にはひきこもり、ニートと呼ばれる人間たちが結果そこに集うことになった。
彼らは毎日の生活に不満を抱かず、リラックスしていた。
それなのに、何人もの人間が深夜に火であぶられる夢をみたり、金縛りにあうということを体験する。
臨床心理士の資格を失い、慢性的な死への欲求を抱えた一ノ瀬恵梨香も萩原県に住んでいた。
(
蒼い瞳とニュアージュに登場)
美由紀は再びメフィスト・コンサルティングのダビデと会う事になる。
ダビデがつかんでいたのは、ジンバテックが巨大な資金を得ようとしていること。
一ノ瀬恵梨香と岬美由紀は両親の喪失という接点を持っていた。
同じ事故で加害者と被害者に別れた彼らの両親。
恵梨香は美由紀を憎みながらも、強く執着していた。