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    • 2013.11.17 Sunday
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    • by スポンサードリンク

    プリンセス・トヨトミ

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      評価:
      万城目 学
      文藝春秋
      ¥ 1,650
      (2009-02-26)

      今までの万城目さんの作品の中で一番好き!
      すごく面白かった。
      内容を振り返るとばかばかしいのだけど、
      そのばかばかしさを実際にやってのけると偉大さに変貌する。

      会計検査院という役所。
      三権分立の外側に独立してなりたつ検査院。
      仕事は、あらゆる機関の会計を検査すること。

      三人は大阪に行くことになった。
      「鬼の松平」と呼ばれ厳しい検査をする有能な調査官、松平
      「ミラクル鳥居」と呼ばる鳥居は小太りなおしゃべりだが、時々ミラクルを巻き込む。
      内閣に出向したこともあるという旭・ゲーンズブールはこれまた有能で美女ですさまじくプロポーションが良い。

      「社会法人 OJO」がすべての発端だった。

      同時進行で語られるもうひとつの物語。
      大阪市立空掘中学校に通う真田大輔。幼なじみの橋場茶子。
      大輔は女の子になりたかった。
      自分の信念を貫くために彼は(彼女は?)セーラー服で登校することに決めた。
      周りからの奇異な目は承知の上。
      だが、極道の息子、蜂須賀勝に目をつけられてしまった。
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      むかしのはなし

      0
        評価:
        三浦 しをん
        幻冬舎
        ---
        (2005-02-25)

        隕石が落ちてくる。
        助かる方法は、地球から脱出するロケットに乗ること。それだけ。
        もちろん数に限りがある。
        搭乗できるのは一握りの人間のみ。

        チケットを手に入れた人間。
        滅び行く人生を、地球を前に最後の行動に出る人間。

        それと平行して昔話がモチーフとして描かれる短編集。

        テーマが決まっていてもこの雰囲気を出せるのは三浦さんだからだなぁと思う。
        仄暗い。秘密の香り。

        すべてがぎゅっと詰まったのが最後の「懐かしき川べりの町の物語せよ」
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        I'm sorry,mama.

        0
          評価:
          桐野 夏生
          集英社
          ¥ 1,470
          (2004-11-26)

          馬鹿、だなぁ。
          松島アイ子。
          両親はいなく、娼婦館で邪魔者扱いされながら育った。
          その後、児童福祉施設にいた。
          成人する前から娼婦として客をとり、
          ホテルメイドをしたり、男のもとに転がり込んだりしながら生きてきた。

          アイ子を知っている同世代の人間は皆アイ子を気味悪がっていた。
          妙に大人びている、盗みを働く、母の形見だという靴に話しかける。
          そして、彼女の周りでは人間が死ぬ。

          ホント、ばかだなぁ。
          もっともっとまともな生き方もあるはずなのに、
          だれも彼女を叱れなかった。
          だれも彼女を育てられなかった。
          簡単な生き方を選んでばかり。
          危うくなったら、逃げる。その繰り返し。

          正直、ここまで性悪の人間を書くのはすごいと思うけれど、
          読む方としては胸糞悪い話だった。
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          黒い季節

          0
            評価:
            冲方 丁
            角川書店
            ---
            (1996-06)

            この世のものではない力を持つ人間たち
            それに迎合する極道の祭り。

            強い闇の力は人間を引きずりこむ。
            闇の絵「つちのえ」を描いた松吾を父に持つ志斐誠。
            彼はその絵を探していた。

            黒文字組という暴力団にそれはある。
            闇の呪いを体中に刻まれた誠はある女性と知り合い行動を共にすることになる。
            名前はない。番号は、「戊」(つちのえ・ほこ)

            同じ頃、すべてを忘れた少年が
            黒羽組の頭、藤堂に拾われていた。
            少年に「穂」(すい)と名づけた。
            かつて女性の腹に子供ができたときに名づけるはずだった名前。


            なんというか、読み慣れない文体。
            言葉がというよりも表現が硬くて、擬音が多くて不思議な雰囲気。
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            モダンタイムス

            0
              「勇気は実家に忘れてきました」
              面白いことばだなぁ。
              勇気なんて、あるかないかに関わらず
              目の前で起こってしまったらやるしかないんだけど。
              問われるのはことが始まる前。
              何かが起こる兆候だけがあって、逃げる選択肢もあるときに使える言葉。

              伊坂さんの本はやっぱり最高に面白い。
              ストーリーが、とか文章が、とか、展開が意表をついていてとか
              いろいろあるんだけど、全部ひっくるめてとにかく面白い。
              初期の頃の作品と違うのは、最後に劇的に何かが解決するわけではないところ。
              「彼らは現実を、真実を知った」で唐突に終わりが来る。

              渡辺はSE(兼プログラマかな)そして妻がいる。
              とても美しく、とても頼りがいのあり、とても恐ろしい妻。
              ある日を境に彼の生活は今までとは違う波に飲まれていく。

              優秀なプログラマである同僚が失踪した。
              その仕事を引き継ぐことになった渡辺と同僚の大石倉之助。
              簡単な仕事のはずなのに、奇妙。
              そして、妻から仕向けられた男が彼を拷問にかけてくる。
              浮気の疑いを持たれた。事実浮気していた。前回は濡れ衣で腕を折られた。
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              火天の城

              0
                評価:
                山本 兼一
                文藝春秋
                ¥ 1,600
                (2004-06)

                燃えてしまったのが悔やまれる。
                この目で見てみたかった!!

                首尾一貫して安土城製作の話。
                それなのに、人間を感じる。ドラマがある。
                山本兼一さんの本は何作も読んできて、
                ほとんどが信長にまつわる内容なのに、
                どうしてこんなにバラエティに富んでいるんだろう。

                信長のために働く番匠、岡田又右衛門
                安土山を切り崩し、信長の天下統一をなすために重要な安土城製作の棟梁となった。
                全国から城を作るために集められた人員
                取って置きの木材、金、職人たち。

                純粋に築城に命をささげる者がいる。
                己の権力をかざし、欲を満たすために君臨する信長
                打倒信長を目指し間者をしのばせる隣国の将軍。
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                均ちゃんの失踪

                0
                  評価:
                  中島 京子
                  講談社
                  ¥ 1,575
                  (2006-11-10)

                  浮気性の男というと
                  リアルでも小説で描かれるものにしてもいいイメージがない。
                  小ずるくて、プライドが高くて、小心者。
                  でも、均ちゃんはなんだか違う。
                  いとおしい。都合のいい男。

                  内田均と付き合っていたはずの片桐薫は呆然とした。
                  失踪した均ちゃんの家に強盗が入り、
                  彼とつながりのある薫は警察に呼ばれた。
                  そこで対面したのは、均ちゃんのもう一人の彼女の木村空穂と、別れた妻の梨和景子だった。
                  挙句、彼の住んでいた家は景子のもので、均ちゃんはそれを借りていたのだと知らされる。

                  均ちゃんの行方は知れない。

                  しばらくして、薫のもとに均ちゃんの知り合いだという祐輔という男から連絡がきた。
                  なんとなく意気投合し、仲良くなる二人。

                  それからまたしばらくして、
                  空穂が一緒に旅行に行こうと誘ってくる。
                  全員がおかしな組み合わせだと思いながらも空穂、景子、薫、祐輔の四人で旅行に出る。

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                  森に眠る魚

                  0
                    評価:
                    角田 光代
                    双葉社
                    ---
                    (2008-12-10)

                    タイトルや表紙のイメージからは遠く離れた内容だと感じた。

                    ○○ちゃんのママ。
                    子供を生むとそう呼ばれる。
                    それが当然の狭い世界。
                    我が子が中心、一番大切と言いながら、思いながら、示しながら
                    その我が子を育ててる母もやはり一人の人間。
                    思いも期待も負の感情もいっぱい持ってる。

                    怖いと感じた。
                    気の合ったママ友四人。
                    開けっぴろげで気のいい繭子
                    上品でしっかりした千花
                    物静かだけど、思慮深い容子
                    きちんとしていて優しい瞳

                    一緒にいて居心地のいい仲間のはずだった。
                    同じ世代の子供たちを持ち、これからも仲良くやっていけるはずだった。
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                    極北クレイマー

                    0
                      評価:
                      海堂 尊
                      朝日新聞出版
                      ¥ 1,680
                      (2009-04-07)

                      北海道、極北市。
                      バブル時期に建設した無駄建築物、毎年赤字を抱える市財政
                      極北市役所と強く結びついた極北市民病院。

                      今中は八年目の外科医。
                      極北大学病院から派遣され来た普通のいい医者。

                      地方は人数が少ない分、わかりやすいヒエラルキーができやすいと思う。
                      これはまさにその典型。
                      強いものが自分の利益だけを分捕り、
                      どれだけ市が借金を抱えようが知らぬふり。
                      日本の縮図みたいなものだと思うけどね!

                      どこもかしこも病院らしくない極北病院。
                      看護婦はいつでもサボっているし、
                      やる気のない医者がいる。
                      一人で頑張って「正しいこと」をしようと張り切る院長
                      唯一看護婦からも市民からも尊敬される産婦人科医、三枝。

                      面白い、のだけど、なんだかすっきりしない。
                      ここ最近の海堂さんの小説はどれもそんな感じ。
                      前回も書いたけれど、物語としてよりも、告発文としての意義が強いと感じる。
                      現実は知りたい。物語の形をとってくれていれば知識として取り込みやすい。
                      でも、物語として未完成。そんな感じ。
                      続きを読む >>


                      PR
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