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評価:
乃南 アサ
講談社
¥ 1,785
(2009-10-21)
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乃南アサさんの本は昔から何冊も読んできているけれど、
こういうエンディングは初めてじゃないかな?
主人公が気を入れなおして未来がどこまでも明るく見えるようなハッピーエンディング
それまではそれは乃南さんらしいすさまじい不幸が波のように襲ってくる悲惨ストーリーだけど。
読後感で本の印象はやっぱり大きく変わる。
「地味でいいから普通に生きる」
を目指して生きていこうとしてきたはずの片貝耕平。
ある日突然会社がつぶれた。
そこから派遣会社に登録するも、なんとなく気が乗らないことばかりで派遣先を転転とする。
心機一転別の派遣会社に登録して学習塾で働き始めるが・・・・
東京でたどり着いた最後の仕事先は住み込みの新聞配達屋だった。
ひたすらきついその仕事先に新しい従業員がやってきた。
色の黒い、真ん丸い顔の、お世辞にもかわいいとはいえないどんくさい19の女の子。
竹田杏菜というその子の存在で少しだけ職場の雰囲気は明るくなった。
彼女は言われたい放題で辛いはずなのにいつも笑っていて
耕平はそんな彼女を見てイライラしていた。