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評価:
冲方 丁
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,890
(2009-12-01)
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漫画版(2012年8月現在で二巻まで刊行)で読み始めて、
原作も非常に気になっていたところで運良く図書館で借りられた!
沖方さんの最近の本は非常に人気があってなかなか借りられない・・・。
天文学者、渋川晴海の一生。
御城碁を打つ碁打ち衆の家に生まれ、二代目安井算哲を襲名するも、
碁の達者な養子の兄算知の存在もあり、
公の場所以外では、保井、渋川の名を使い分ける。
この頃は学術というよりは趣味としての存在が大きかった算術、
屋敷の敷地に日時計まで作って暦を見る暦術、
神道、朱子学、測地にも通じていた多彩な人物。
あまりになんでもできるので、この人が最終的に成し遂げたこと、
その道が晴海にとって正しかったのかどうかは不明だが、
それぞれの道での仲間たちが彼の偉業に力を貸したのは紛れもない事実。
非常に面白かった。
心優しく、情熱的で、かつ臆病な晴海。
ただ史実のままに、ではなく、小説としての肉付けがしっかりしていると感じた。