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評価:
川上 未映子
講談社
¥ 1,680
(2011-10-13)
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あたたかくて柔らかくて切なく少し悲しい物語。
きっと、このままじんわりとこの人は生きていくんだろうなという確信に似た予測。
彼女のことを真に理解する人は現れないんだろうな。
それでも彼女を包む空気は優しい。
すごく失礼かもしれないけれど、少し前の川上弘美さんの作品の雰囲気に似ていると思った。
人とうまく付き合うことができないまま大人になり、
居づらい雰囲気の中で仕事をしていた入江冬子。
大手出版社に勤める石川聖と一緒に校閲の仕事をするようになり、
彼女の勧めもあってフリーランスで仕事をするようになった。
よく喋り、強い考えを持ち、それをまっすぐにぶつける聖。
聖の知らない所で彼女は三束という男性と出会う。
高校で物理を教えている彼と定期的に喫茶店で話をするようになった入江。
何かが少しずつ変わっていく。